たけのこをきちんと処理しても、時にはあくがしっかり抜けず、食べると苦かったりえぐかったりすることがありますよね。
丁寧にあく抜きしたつもりでも、なぜこんな味になるのか、次回失敗しない為にもその原因をまず知っておきましょう!
たけのこのあく抜き失敗の原因①たけのこのを収穫後時間が経っている
↓新鮮なたけのこの特徴は以下です。購入する際の目安にしてくださいね。
- 穂先が黄色い
- 切り口が白い
- 背丈が短く横幅がある
- 皮の色が薄い
- 皮がしっとりと湿っている
- ツヤツヤしている
- 根元のイボが小さく色が薄い
- 持った時に重みを感じる
- ついている土が湿っている
たけのこのあくがしっかり抜けない一つの理由は、収穫した後に経過する時間です。
掘り出されたばかりのたけのこは、時間がたつほど自然にあくの成分が増えていきます。
これは、たけのこが自分を守るために、食べられないようにする自然の反応なんです。
採った直後はあくが少なめで食べられることもありますが、
時間がたつとあくがどんどん増えて、採った翌日にはほぼ2倍になることも。
時間が経ったたけのこは、えぐみが強くなるわけです。
あくにはシュウ酸やホモゲンチジン酸という成分が含まれていて、たけのこが自分で作り出しています。
だから、「たけのこは掘ったらすぐにあく抜きを」と言われるのは、あくが増える前に早めに処理して、あくの生成を止める必要があるからなんです。
たけのこのあく抜き失敗の原因②たけのこをゆでる時間が短い
たけのこのまるごとあく抜きをする場合、1から2時間ほど弱火でじっくりと煮る必要があります。
圧力鍋を使えば、この時間を短縮できますが、重要なのは根元が柔らかくなり、竹串がすんなりと通る程度に煮ることです。
あくがしっかり抜けない主な原因は、煮る時間が足りないことにあります。
これには二つの大きな理由があります。
まず、たけのこを柔らかくしてあくが抜けやすくするためです。
茹でることでたけのこが柔らかくなり、細胞からのあくの成分の排出が容易になります。
特に、たけのこの最も硬い根元部分が竹串で簡単に刺せるほどになるまで煮ることが、成功の鍵です。
そしてもう一つは、たけのこの内部を高温で加熱し、えぐみを引き起こす成分がこれ以上生成されないようにする必要があります。
これは、シュウ酸の生成を止めることと、アミノ酸の一種であるチロシンがえぐい成分、ホモゲンチジン酸に変化するのを防ぐためです。
チロシンは、たけのこの水煮にある白い粉の固まりで、特定の酵素によってホモゲンチジン酸に変わります。
この酵素の作用を高温で加熱することで停止させることができます。
酵素が活動しなければ、チロシンがえぐみの原因になることはないため、
たけのこの内部を十分に加熱し、酵素を無効化することが必要なんですね。
むつかしい科学的なお話もしましたが、要は、たけのこの最も硬い根元部分が竹串で簡単に刺せるほどになるまで煮る ってことです^^
たけのこのあく抜き失敗の原因③たけのこをゆで汁につけたまま冷ます時間が短かった
あく抜きしたからといって、すぐ食べてはいけません!^^
たけのこのあく抜きをするときには、茹で上がった後、その茹で汁にしばらく浸けておく必要があります。
浸ける時間が短いと、あくが完全には抜けきらないんです。
これは、たけのこのあくが、特に火を止めたあとのつけ置いた時間中に茹で汁へと溶け出すからです。
あくは水に溶けやすい性質を持っており、特にアルカリ性の環境ではさらに溶け出しやすくなります。
だから、米ぬかや米のとぎ汁、重曹を加えた水などアルカリ性の茹で汁にたけのこを長時間浸けることで、あくを効果的に抜くことができるんです。
ただし、この浸けておくのは、単にたけのこの温度を下げるだけではなく、しっかりとあくを抜くためです。
ですから、茹で汁には8時間以上浸けておくことがおすすめです。
収穫してから日数が経ったたけのこは、あくが多いため、最初に茹でた水に長く浸けておくと、あくが逆流してしまうことがあります。
そのような場合は、一度茹でこぼした後、新しい米ぬかやとぎ汁、重曹を加えた水で再び煮てから放置すると良いでしょう。
あく抜きに失敗した「たけのこ」リメイクレシピ
たけのこのあくは基本的にあく抜きで取り除けますが、収穫して時間がたったたけのこのあくを完全に消すのは難しいです。
あく抜きは実は、たけのこがさらにえぐくなるのを防ぐために行います。
だから、収穫後すぐにたけのこを茹でたり、あく抜きをすることが推奨されるわけです。
収穫からあく抜きまで時間が経つほど、あくが増えて、えぐみが強くなります。
あく抜きをしてもまだえぐみが強い場合は、もうそれ以上あくは取れないと思った方がいいでしょう。
そんな時は、えぐみや苦味を目立たせない料理法を選ぶと良いですね。
たけのこのあく抜き失敗リメイクレシピ①天ぷらにする
苦みやえぐみが気になる野菜のおすすめの食べ方は、天ぷらです。
天ぷらの衣と油が苦みを包み込み、それを感じさせにくくしてくれます。
たらの芽など、本来苦みがある野菜も天ぷらにすることで美味しくいただけます。
この方法を利用して、えぐみの強い野菜も美味しく食べてみましょう!
たけのこのあく抜き失敗リメイクレシピ②グラタンやクリーム煮
シュウ酸というえぐみの原因となる成分は、カルシウムと結合することで水に溶けないシュウ酸カルシウムに変わります。
これが唾液にも溶けないため、苦みを感じにくくします。
そのため、カルシウムが豊富なワカメを加えた若竹煮は苦味が少なくなり、
カルシウムを多く含む牛乳を使ったグラタンやクリーム煮もえぐみを抑える効果が期待できます。
たけのこのあく抜き失敗リメイクレシピ③味の濃い料理に使う
中華料理のチンジャオロースやマーボー豆腐、マーボー春雨のように、具材を細かく切り、
油分をたっぷり使って調理することで、たけのこの苦みやえぐみを感じさせずに美味しく食べることができます。
この調理法では、油がたけのこの表面をコーティングし、アクの分解を助けるとともに、えぐみや苦味を抑える役割を果たします。
さらに、これらの料理では、通常よりも少し濃いめの味付けがえぐみを和らげる秘訣となり、
中華料理特有の味わい深い調味料がたけのこの不快な風味を上手く隠してくれます。
すでに料理してしまったけどどうしよう?
もし調理前やあく抜き直後にたけのこのあくが十分に取れていないことに気づいたら、
再びあく抜きを行うことも、料理を工夫してえぐみを隠すことも可能です。
一方で、たけのこを使った煮物やご飯を作った後にあくの残りを発見することもよくあります。
この時点で気づくと、せっかく作った料理を捨てるのはもったいないけれど、
えぐみの強いたけのこを食べ続けるのは難しいというジレンマに直面することも。
ただし、少しのえぐみがある場合には、その料理を救う方法をいくつか紹介するので、すべてを諦める必要はありませんよ^^
たけのこの煮物にした場合
もし既に煮物として調理してしまったけれど、たけのこのあくが気になる場合は、天ぷらに!
またその煮物を細かく切り、油揚げと組み合わせて炊き込みご飯にするのもいいですよね。
たけのこご飯にした場合
炊き込みご飯にしてしまったけど「えぐみ」が・・・という時は、たけのこを細かくして肉団子、ハンバーグ、または餃子の具に加えるのも良いでしょう。
または、たけのこのえぐみが気になるご飯を美味しく生まれ変わらせる方法として、ライスコロッケもあります。
これは意外とおすすめですよ!ただ丸めて揚げるだけでは味わいが足りないため、たけのこご飯にはバターで炒めた玉ねぎのみじん切りとチーズを加えましょう。
粉チーズを混ぜるも良し、ご飯でチーズの塊を包むのも良しです。
その後、一口大に丸めたご飯を小麦粉、卵、パン粉の順に衣をつけ、揚げて完成します。仕上げにソースやケチャップをかけてね。
まとめ